日本では条例で公共の場では犬をリードに繋がなくてはなりません。もしかしたら、ドッグパルクールの一番の難関は、リードの扱い方かもしれません。
リードは拘束道具ではない
旧式のドッグトレーニングでは、リードを犬を制御する為に使っていました。リードで繋ぐのは犬の行動範囲を制限するためです。リードを室内でも付けっぱなしにしておいて、犬の行動を止める時にリードを使う人もいます。脚側で歩かせるために、あえて短いリードで物理的に真横を歩くしかないように制限を掛ける道具としても便利に使われてきました。
時には犬に罰(リードショック)を与える道具としても使われてきました。チョークカラーを使ったり、スリップリード(チョークカラーとリード一体型の道具)でリードを引っ張ったり吊り上げる事で首に嫌悪刺激を与え、犬に間違っている事を伝える道具としての使い方はいまでも多くの人が行っているようです。
ドッグパルクールでは、犬の行動はすべて正解であり、ハンドラーはその正解を導くための道先案内人である為、リードを制御や罰の為に使用しません。
リードはキューになる
リードを拘束用に使わないのなら、まるでリードは緊急時の安全確保以外は条例があるがための無用の長物のように聞こえますが、実はリードはキューになるのです。
犬が学習を深めると、様々な環境キューで行動するようになります。リードはその環境キューの一つとなります。リードを付ける事でどういう状態でどんな行動を取るべきか犬は理解し、犬がリードが付いた状態でどんな感情でどんな動きをするのか、ハンドラーも予測する事ができるのです。
伸縮リードは使わない
自動で巻き取ってくれるフレキシリード(伸縮リード)を使う飼い主さんも多いようです。飼い主さんが動かない、犬が突然走り出したりするなどの激しい動きをしない場合はフレキシも使えるかもしれません。 フレキシの問題は、
犬が自ら戻ってくれないと巻き取れない。
犬を止めながら巻き取るのはほぼ不可能。
犬が突然走り出してもそのスピード調整が効かない
突然ロックを掛けると双方に衝撃が掛かる。
特にドッグパルクールをしていると、障害物にリードが絡むこともあり、素早くリードを持ち換えて絡まないようにするには、伸縮リードの巻取り部分である本体は邪魔になります。複雑な動きを伴うドッグパルクールには伸縮リードではやらないようにしましょう。
ロングリードを自在に伸縮させる技
ロングリードは束ねたり緩めたりと愛犬の動きに合わせて目まぐるしい操作が必要です。 素早く動く犬にはその操作が追い付かず、リードを引き摺ったり、犬の身体や足に絡んでしまったりすることも。出来るだけ素早くリードを引き寄せる技術を身に付けておきましょう。
動画を参考に、片手をガイドに使い、もう一方の手で素早く腕幅いっぱいに引き寄せると、自分の身長の倍の長さのリードを引き寄せる事が出来ます。
リードの長さ
ロングリードの長さは通常3~5mと言われています。私の経験では3mは少し短すぎるように感じます。さっと引き寄せる事が出来る長さが、自分の身長の倍の長さなので、以下のように計算して理想の長さを用意されるといいでしょう。
身長x2+1.2~1.5m
身長160cm の場合 180x2+150 5.1メートルとなります。
身長150cm の場合 150x2+150 4.5ートルとなります。
ちょうどにする必要はありません。5mのリードが使いやすいのではないでしょうか。
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